死が近づくにつれて「ありがとう」しか言わなくなった母の話
死が近づくにつれて「ありがとう」しか言わなくなった母の話
これは私の母親の話しではないのですが、私の知人が僕に話してくれ話です。
知人は、彼の母親が高齢になり病気にもなってしまい、徐々に体が弱くなるにつれて、
「ありがとう」としか言わなくなったらしいんですよ。
彼の話しによれば「多分あれは、感謝の気持ちで心の中を満たして、死への恐怖を克服しようとしてたのではないか」って。
僕はその話しを聞いてとても共感できたんですよ。
感謝の気持ちを持つって、言葉だけ受け取ればキザだし、綺麗事だろうって思う気持ちもわかる。
でも、実際のところ、感謝しながら怒れないし、感謝しながら恨めないし、感謝しながら嫉妬できないし、感謝しながら悲しめないんですよね。
いくらポジティブを装っていても、明るく振る舞ってても、その中にネガティブは共存できるじゃないですか?
でも、「感謝の気持ち」だけはネガティブと共存できないんですよね。
全てを受け入れられてしまうというか、ちょっと魔法的な言葉だなって思うわけですよ。
怒りや、悲しみや、嫉妬や妬みや、死への恐怖すら克服できる。
今まで色々大変なことがあったけど、今まで一緒にいてくれてありがとうという気持ちを持つだけで、
どんな最悪な気持ちも無くなる気がする。